ディズニー映画「リロ&スティッチ」(2002年公開)は、ハワイの美しいカウアイ島を舞台に、孤独な少女リロとエイリアンの試作品スティッチの間に芽生える友情と家族の絆を描き、世界中で愛され続ける名作です。心温まるドラマとエキサイティングなアクション、そして「オハナ(家族)」というハワイの文化に基づいた深いテーマ性が、多くの人々の心を掴んで離しません。
物語を彩るのは、主人公のリロとスティッチだけでなく、彼らを追う銀河連邦の面々や、スティッチと同じくジャンバ博士によって作られた数多くの「いとこ」たち(他の試作品エイリアン)です。
この記事では、「リロ&スティッチ」の世界における「敵」とは誰なのか、スティッチの「いとこ」の総数、そして特に強力と目される「いとこ」たちの強さTOP3を、作品の魅力を交えながら徹底解説します!
ネタバレあり‼
映画「リロ&スティッチ」あらすじ
物語は、遠い宇宙の銀河連邦から始まります。「悪の天才科学者」ジャンバ・ジュキーバ博士が生み出した、遺伝子操作による凶暴なエイリアンの試作品626号(後のスティッチ)は、その危険性から逮捕され、追放処分が決定。しかし護送中に逃亡し、地球のハワイ・カウアイ島に不時着します。
一方、カウアイ島に住む少女リロは、両親を亡くし、姉のナニと二人暮らし。周囲に馴染めず孤立しがちな彼女は、ある日ペットショップで犬になりすましたスティッチと出会い、「スティッチ」と名付けて家族に迎え入れます。
当初、破壊本能のままに行動するスティッチでしたが、リロの無償の愛と「オハナ(ハワイ語で『家族』の意味)」の教えに触れるうちに、徐々に心が変化していきます。しかし、スティッチを捕獲するため、生みの親であるジャンバ博士と地球文化専門家(自称)のプリークリー、さらに銀河連邦の元大尉ガントゥが地球に送り込まれ、リロとスティッチは追われる身となります。
果たして、リロとスティッチは追手から逃れ、本当の「オハナ」になれるのでしょうか?物語は、手に汗握る追跡劇と、心温まる家族の絆が交錯しながら展開します。
![[リロとスティッチが初めて出会うペットショップのシーンのイメージ画像]](https://en-mado.com/wp-content/uploads/2025/05/7-4-1024x576.webp)
リロ&スティッチに登場する「敵」とは?
物語の初期、スティッチは銀河連邦から「危険な存在」として追われます。しかし、物語が進むにつれて「敵」の様相は変化し、より複雑な関係性が描かれます。
銀河連邦からの追跡者たち
スティッチ(試作品626号)は、都市を破壊し文明を混乱させるべく設計された、極めて危険なエイリアンの試作品。そのため、銀河連邦の秩序を維持する立場にある銀河連邦議長から危険視され、追放処分を受けます。
- ジャンバ・ジュキーバ博士: スティッチの創造主。「悪の天才科学者」を自称する4つ目のエイリアン。当初は銀河連邦の命令でスティッチ捕獲のため地球に降り立ちますが、リロやスティッチとの生活を通じて父性のような感情が芽生え、彼らを守る側に。科学知識や発明品でしばしば危機を打開します。
- ウェンディ・プリークリー: 銀河連邦のエージェントで、一つ目の細長い体を持つ自称「地球文化研究の権威」。ジャンバ博士の監視役として地球に派遣され、当初は迷惑な存在でしたが、リロたちの温かさに触れ、地球と「オハナ」を愛するようになります。女装して人間社会に溶け込もうとする姿はコミカル。
![[宇宙船の窓から心配そうに地球を見下ろすジャンバ博士と、その横で地球のガイドブックを熱心に読むプリークリーのイメージ画像]](https://en-mado.com/wp-content/uploads/2025/05/6-10-1024x576.webp)
物語が示す「本当の敵」とは?
物語が進むと、より明確な敵意を持ってリロたちの前に立ちはだかるキャラクターが登場します。
- ガントゥ: サメのような顔つきの元銀河連邦大尉。身長2メートル超の巨漢で規律を重んじる軍人。スティッチ捕獲任務で成果を上げられないジャンバたちに代わり派遣され、圧倒的な武力でリロたちを追い詰めます。映画終盤で解雇され、テレビシリーズではハムスターヴィール博士に雇われて再登場。時にはコミカルな一面も見せる複雑なキャラクターです。
- ハムスターヴィール博士: ジャンバ博士の元研究パートナーで、ハムスターに似た小柄な姿(実際はウサギに近い種族)の自称「悪の天才科学者」。ジャンバの才能に嫉妬し、彼の試作品エイリアンを悪用して銀河支配を企む。映画本編では名前のみの登場ですが、テレビシリーズ以降、主要な悪役として度々リロたちの前に立ちはだかります。
「リロ&スティッチ」の魅力は、単純な善悪二元論では割り切れない点です。当初「敵」と見なされたキャラクターも、リロの「オハナ」の精神に触れることで変化していく姿が描かれ、作品全体を貫く重要なメッセージとなっています。
スティッチの「いとこ」たち
スティッチには、同じくジャンバ博士によって生み出された数多くの「いとこ」たちが存在します。彼らはそれぞれ独自の特殊能力や個性を持ち、特に「リロ・アンド・スティッチ ザ・シリーズ」を中心に物語を豊かに彩ります。
「いとこ」とは?試作品たちの総称
「いとこ」とは、リロがスティッチ(試作品626号)以前に作られたジャンバ博士の試作品001号から625号までのエイリアンたちに使った愛称です。彼らは特定の目的や能力を持って設計され、完成後は脱水状態でポッドに封印されていました。映画終盤、ジャンバが地球に持ち込んだポッドがハワイ中に散らばり、水に触れることで起動・巨大化し、騒動を巻き起こします。
彼らの姿かたちや能力は驚くほど多様で、火を吹くもの、電気を操るもの、歌で相手を操るもの、地震を起こすものなど千差万別です。
![[様々な色や形をした、個性豊かなスティッチのいとこたちが、楽しそうに集まっている様子を描いたイメージ画像]](https://en-mado.com/wp-content/uploads/2025/05/5-14-1024x576.webp)
いとこの数は全部で何体?
スティッチを含めると、ジャンバ博士が創造した試作品エイリアンの総数は、公式設定で626体です。
映画本編では一部のいとこ(例:試作品221号「スパーキー」)しか登場しませんが、テレビシリーズ「リロ・アンド・スティッチ ザ・シリーズ」では、リロとスティッチが散らばった試作品ポッドを回収し、起動した「いとこ」たちそれぞれに「本当の居場所(One True Place)」を見つけるミッションが中心となります。この過程で多種多様な「いとこ」が登場し、作品の世界観を大きく広げました。
最強の敵は誰だ?スティッチのいとこ強さTOP3ランキング!
600体以上存在するスティッチの「いとこ」たち。中にはスティッチに匹敵する、あるいはそれ以上の能力を持つ者も。ここでは独断と偏見、ファンの評価も参考に「強い」または「厄介な」能力を持つ「いとこ」TOP3を選んでみました!
第3位
試作品627号(名称不明、通称:エヴィル、ネオ・スティッチ)
- 登場作品: テレビシリーズ「リロ・アンド・スティッチ ザ・シリーズ」
- 能力: スティッチの能力を全てにおいて凌駕するように設計。より高い筋力・敏捷性・耐久力を持ち、スティッチの弱点(水など)も克服。複数の腕を生やす、体色変化などの追加能力も。性格は極めて凶暴。
- 選定理由: ハムスターヴィール博士がジャンバに作らせた「スティッチを超えるスティッチ」。初登場時はスティッチを完膚なきまでに叩きのめしました。弱点がないはずでしたが、唯一の欠点は「優しさ」や「愛」をプログラムされていなかったこと。最終的には笑い上戸にされ無力化。その圧倒的な初期の強さとスティッチを追い詰めた実績から3位。
![[赤とオレンジを基調とした体色で、スティッチよりも一回り大きく、より鋭い爪や牙を持ち、複数の腕を生やして威嚇する試作品627号のイメージ画像]](https://en-mado.com/wp-content/uploads/2025/05/4-20-1024x576.webp)
第2位
試作品624号(エンジェル)
- 登場作品: テレビシリーズ「リロ・アンド・スティッチ ザ・シリーズ」など
- 能力: 美しい歌声(通称「サイレン・ソング」)で善の試作品を邪悪に変える強力な洗脳能力を持つ(スティッチとルーベンには効果が薄い)。格闘能力も高く、スティッチと互角以上に渡り合う場面も。
- 選定理由: 直接的な戦闘力に加え、特殊な「洗脳能力」が極めて厄介。多くの味方を敵に回せる戦略的脅威度は計り知れません。スティッチが初めて好意を寄せた相手でもあり、彼の行動や感情に大きな影響を与えます。当初は敵でしたが、後にスティッチのガールフレンド兼強力な味方に。その影響力の大きさとスティッチにとって特別な存在であることから2位。
![[鮮やかなピンク色の体毛を持ち、頭には天使の輪のような触角、背中にはコウモリのような翼を持つ、キュートながらもどこか妖艶な雰囲気のエンジェルのイメージ画像]](https://en-mado.com/wp-content/uploads/2025/05/1-16-1024x576.webp)
第1位
試作品626号(スティッチ)
- 登場作品: 映画「リロ&スティッチ」および関連作品全て
- 能力: 超人的な怪力(体重の3000倍の物を持ち上げる)、驚異的な跳躍力、高い知能と言語理解能力、壁や天井を自在に這い回る能力、銃火器の精密な扱い、宇宙船の操縦技術、驚異的な耐久力と回復力など、戦闘・諜報・サバイバルに関するあらゆる能力を極めて高いレベルで備える。唯一の弱点は水(体の密度が高く浮けない)。
- 選定理由: やはり主人公スティッチが1位。数多くの強力ないとこたちがいますが、彼の強さはプログラムされた能力の高さだけではありません。リロとの出会いを通じて「オハナ」の精神を学び、愛や友情、忠誠心といった感情を獲得したことで、単なる破壊兵器から大切なものを守るヒーローへと成長。その過程で培われた機転、困難に立ち向かう勇気、そしてリロや家族を守りたいという強い意志が彼の潜在能力を最大限に引き出します。総合的に見て彼が最強であることに疑いの余地はありません。
![[四本腕を広げ、力強い眼差しで前を見据え、いつでも戦える体勢をとっているスティッチの勇ましいイメージ画像]](https://en-mado.com/wp-content/uploads/2025/05/3-20-1024x576.webp)
番外編:注目すべき「いとこ」たち
ランキング外でも、個性的で強力な「いとこ」は多数存在します。
- 試作品221号(スパーキー): 電気エネルギーを操る。OVA「スティッチ!ザ・ムービー」で初登場。
- 試作品619号(スプラウト): 巨大な食虫植物型。急速に成長し周囲のものを飲み込もうとする。
- 試作品513号(リヒター): 地震を発生させる。
- 試作品625号(ルーベン): スティッチとほぼ同等の能力を持つが極度の怠け者。サンドイッチ作りに情熱を燃やす。ガントゥの相棒。
- 試作品007号(ジジ): シーズー犬に似た愛らしい外見だが、非常にけたたましい声で吠え続ける。
- 試作品254号(ミスター・ステンチー): 見た目はキュートだが、数時間おきに強烈な悪臭を放つ。
- 試作品523号(スラッシー): 強力な冷気を操り、周囲を凍結させる。
これらの「いとこ」たちも物語にユニークな展開をもたらし、多くの教訓や感動を与えてくれます。
「敵」から「オハナ」へ
リロ&スティッチが伝えるメッセージ
「リロ&スティッチ」シリーズ全体を貫く最も重要なテーマの一つは、当初「敵」や「厄介者」として登場したキャラクターたちが、リロたちの温かさに触れることで心を開き、かけがえのない「オハナ(家族)」の一員となっていくプロセスです。
ハワイ語で「家族」を意味する「オハナ」は、単なる血縁だけでなく、互いに支え合い、愛し合い、決して見捨てない強い絆で結ばれた共同体を指します。リロがスティッチに教えるこの精神は、物語の中で奇跡のような変化を生み出します。
ジャンバ博士やプリークリーは、当初の任務や目的を離れ、リロたちの「オハナ」の温かさに包まれ、家族の一員となります。テレビシリーズで登場する多くの「いとこ」たちも、リロとスティッチの助けで「本当の居場所」を見つけ、社会の一員として受け入れられていきます。

この物語は、見た目や第一印象、過去の過ちだけで相手を判断せず、理解しようと努めることの大切さを教えてくれます。どんな存在も受け入れる「オハナ」の精神は、多様性と受容の重要性を力強く伝えています。
まとめ
映画「リロ&スティッチ」とその関連作品には、スティッチを追う者や悪事を企む者など、様々な「敵」が登場します。そして、スティッチには625体もの個性豊かな「いとこ」たちがおり、彼らの多くも当初は脅威となり得ました。
最強ランキングではスティッチの強さが際立ちましたが、彼に匹敵するライバルやユニークな能力を持つキャラクターも多数存在します。しかし、この作品の最も素晴らしい点は、そうした「敵」や「異質な存在」でさえも、「オハナ」の精神によって受け入れられ、変化し、共に生きていく仲間となる可能性を描いていることです。
破壊兵器として生まれたスティッチが愛を知り、孤独だったリロが大きな家族を得る物語は、観る者に勇気と希望、そして心の温もりを与えてくれます。ぜひ、この機会に作品を見返し、愛すべきキャラクターたちの活躍と、「オハナ」の深いメッセージを感じてみてください。
更新日: 2025-05-31