作品紹介

あらすじ

幼い頃、成瀬順は「おしゃべり」が原因で家族がバラバラになったと思い込み、心に深い傷を負います。ある日、坂上拓実や仁藤菖蒲、田崎大樹と共に「地域ふれあい交流会」の実行委員に選ばれ、ミュージカルを行うことになります。順は「話すと腹痛が起こる呪い」にかかっていると思っていましたが、ミュージカルで「歌うこと」で自分の気持ちを表現できることに気づきます。
順の気持ちを理解しようとする拓実や、過去の怪我が原因で部活を辞めた田崎、冷静で頼れる菖蒲。それぞれが悩みを抱える中で、順が歌で本音を伝えたことで仲間たちの絆が深まります。やがて迎えた本番、順は「自分を閉じ込めていた殻」から抜け出し、ミュージカルを成功に導きます。順の「心の叫び」は仲間や観客に届き、彼女自身も成長していきます。
主題歌
挿入曲一覧

Over The Rainbow
順が音楽室でミュージカルの練習をしているシーンで歌われます。順が「歌うことで自分を表現できる」と確信する重要なシーンです。
I Love You
拓実が順に励ましの言葉をかけるシーンで挿入されます。拓実の優しさと順の心の動きが描かれています。
心が叫びたがってるんだ。
ミュージカル本番で順が披露する楽曲。順の「話したい」という本音を歌に込めた感動的なシーンです。
Harmonia
順と拓実、菖蒲、田崎がミュージカルの練習を通じて絆を深めるシーンで使用されます。
僕たちの未来
クライマックスのミュージカル終了後、順と拓実が手をつなぐ感動的なシーンで使用されます。
順が歌う楽曲は、単なる演出ではなく「順の本音」が込められた重要な要素です。特に「心が叫びたがってるんだ。」は順が過去のトラウマを克服し、自分を解放する象徴的なシーンで使われており、観客の涙を誘いました。
人気のシーン

順が初めて「歌」で本音を伝えるシーン
順は幼少期のトラウマから「話すとお腹が痛くなる呪い」にかかっていると信じており、他人と積極的に話すことができませんでした。しかし、ミュージカルの練習で「歌う」ことで自分の気持ちを表現できることに気付きます。拓実や菖蒲が支える中、順は「話すことはできなくても、歌なら自分を表現できる」と確信します。そして、リハーサルで順が勇気を振り絞って初めて「心の叫び」を歌に込めて披露します。涙を流しながら歌う順に、クラスメイトや拓実も心を動かされ、会場全体が感動に包まれました。
拓実が順の気持ちに気づき、励ますシーン
順がミュージカルのリハーサル中に自信を失い、「やっぱり自分にはできない」と逃げ出してしまいます。そんな順を拓実が追いかけ、「順が感じていることを歌えばいい。歌なら、順の気持ちは絶対に伝わる」と励まします。拓実は、順が幼少期に傷ついた理由を理解し、「誰も順を責めたりしない」と優しく語りかけます。拓実の言葉に救われた順は、再び舞台に立つ決意をします。このシーンでは、拓実が順の過去を理解し受け止める姿が描かれており、観客から大きな反響がありました。
田崎が部活を辞めた理由を打ち明けるシーン
田崎は元々野球部のエースで、ケガが原因で部活を辞めたことをクラスメイトには話していませんでした。ミュージカルの練習中にクラスメイトと衝突し、感情を爆発させる田崎に対し、拓実が「みんなが本音を言える場所を作りたい」と訴えます。これに対して田崎は「お前に何がわかる!」と叫びますが、最終的に「ケガで野球を辞めた時、自分の居場所をなくした」と涙ながらに告白します。この場面で田崎は自分を受け入れ、仲間との絆を再確認することになります。
ミュージカル本番で順が堂々と歌うシーン
クライマックスのミュージカル本番、順は舞台に立った瞬間に過去のトラウマを思い出し、声を詰まらせます。しかし、拓実が「順ならできる」と静かに励ますことで勇気を取り戻し、順は「自分の気持ち」を歌にのせて堂々と披露します。会場は静まり返り、順の本音が観客に届きます。順の歌に感動したクラスメイトや観客が涙を流す中、拓実が「順、よく頑張った」と声をかける場面は、作品の中でも特に印象的なシーンです。
エンディングで順と拓実が手をつなぐシーン
ミュージカルが終わり、観客から大きな拍手が送られる中、順は観客席にいる拓実を見つけます。拓実のもとに駆け寄った順は「ありがとう」と笑顔で伝え、拓実が優しく手を差し伸べます。順がその手を握った瞬間、拓実も「順の気持ちはちゃんと伝わったよ」と微笑みます。二人が心を通わせたこのシーンは、順が「話すことが怖い」というトラウマから完全に解放されたことを象徴しています。
主要キャラ一覧
成瀬 順(なるせ じゅん)
物語の主人公。幼少期に自分が話した言葉が原因で家族が不幸になったと感じ、「話すとお腹が痛くなる呪い」にかかったと信じています。そのため普段は言葉を発せず、筆談やジェスチャーでコミュニケーションを取っています。ミュージカルを通じて「歌」なら自分を表現できると気づき、自分を解放していきます。内向的で繊細ですが、芯の強さを持った少女です。
坂上 拓実(さかがみ たくみ)
順と同じクラスの男子生徒。元野球部で、ある理由から部活を辞めています。普段はクールで感情を表に出さないタイプですが、順が「話す」ことに苦しんでいる姿を見てサポートします。順の本音を理解し、「歌うことで順が自分を解放できる」と確信し、支える役割を果たします。順のことを特別に思っているが、過去のトラウマから恋愛に踏み出せない一面もあります。
仁藤 菖蒲(にとう あやめ)
拓実と順のクラスメイトで、ミュージカルの中心メンバー。容姿端麗でクールな性格ですが、内面は非常に優しく、順のことを気にかけています。順が「歌」で自分を表現できることに気づいた時、率先して順をサポートします。実は拓実に対して好意を持っていますが、その気持ちを表に出さず、順と拓実の関係を静かに見守ります。
田崎 大樹(たさき だいき)
元野球部のエース。怪我が原因で野球を辞めており、心に大きな傷を抱えています。当初はミュージカルに消極的でしたが、拓実や順の姿に感化され、自分の気持ちを表に出すようになります。自分と同じように心に傷を抱えている順に共感し、順の「歌」に勇気をもらうシーンは感動的です。最後には順を「仲間」として認め、支える立場になります。
成瀬 律子(なるせ りつこ)
順の母親。夫が家庭を出て行った原因が順が幼少期に話した「お城がラブホテルだった」という発言にあると考えています。そのため、順が「話すこと」を抑制してしまった大きな原因を作った人物です。序盤では順に厳しく接することが多いですが、ミュージカル本番で順が自分を解放した姿を見て、順を受け入れるようになります。
相沢 基紀(あいざわ もとき)
拓実たちのクラスメイトで、ミュージカルの伴奏を担当しています。明るく社交的な性格で、ミュージカルの成功を影で支える存在です。順の「歌」が成功した時には、涙を流して順を抱きしめます。
三島 朋子(みしま ともこ)
順の幼なじみ。順の「呪い」の原因となった出来事を知っている数少ない人物です。順が自分の殻を破る姿を見て、自分自身も勇気をもらいます。順を気にかける存在ですが、自分から積極的に関与しようとはしません。
城山 学(しろやま まなぶ)
順や拓実のクラスメイトで、ミュージカルの演出を担当しています。お調子者でムードメーカー的な存在ですが、順や拓実が悩んでいる時には真剣に相談に乗ることもあります。
主要キャラそれぞれが抱える問題や葛藤が丁寧に描かれており、彼らの成長や関係性が「心が叫びたがってるんだ。」の魅力のひとつとなっています。
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まとめ
「心が叫びたがってるんだ。」は、青春や恋愛をテーマにした感動作です。岡田麿里が手がけた繊細な脚本と、長井龍雪監督の演出により、キャラクターたちの心情が丁寧に描かれています。特に「話すこと」に対する順の葛藤や、それを乗り越えて成長していく姿が多くの観客の共感を呼びました。さらに、ミュージカルシーンで披露される歌や曲も印象的で、感動をより深いものにしています。
更新日: 2025-04-13