呪術廻戦とは?
呪術廻戦は“呪い”が実在する世界で己の信念と命を懸けて闘う者たちの物語です。
人間の負の感情から生まれた呪霊たちが蔓延る現代において、それを祓う使命を背負う呪術師たち。主人公・虎杖悠仁(いたどりゆうじ)は、特級呪物「両面宿儺(りょうめんすくな)」の指を飲み込んだことをきっかけに、呪いの渦中へと身を投じていくことになります。
強敵とのバトルは“力×知恵×覚悟”の知略戦。呪術という独自の理論体系に裏打ちされた術式バトルは、まるでチェスのような駆け引きとド派手な演出が融合し、観る者を一瞬で呪術の虜になることでしょう!
呪術廻戦は、戦いの中に「哲学」と「感情」が宿る、唯一無二のダークファンタジーです。今回は今作に登場する詠唱について解説していきたいと思います!
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詠唱とは?
「呪術廻戦」の世界において、詠唱とは術師が呪力を効率的かつ的確に操るための“言霊”のようなものです。詠唱は、呪術という目に見えない力に“形”と“意味”を与える役割を持ちます。ただ力を出すだけではなく、「どんな術を、どう使うのか」「どのような効果をもたらすのか」を明確に世界に伝える、それが詠唱の本質です。
呪詞の詠唱を唱えるとどうなる?
呪術廻戦における「詠唱」とは、まるで魔法陣に詩を刻むかのような呪術師たちの“言霊(ことだま)の儀式”です。技を繰り出す際、彼らは力を言葉で形作り、呪力を安定・増幅させます。詠唱を伴うことで術式はより強く、より正確に、術者の意志に従って発動されるのです。
詠唱は単なる決め台詞ではありません。たとえるなら、技を解き放つための「鍵」あるいは「点火スイッチ」のような存在。ときに長大で荘厳、ときに短く鋭いその言葉の一節には、呪術の理と詩的な世界観が詰め込まれているのです。
後追いの呪詞詠唱について
興味深いのは「後追い詠唱」と呼ばれる技法。通常、詠唱は術を放つ前に唱えるものですが、呪術廻戦の一部キャラクターたちは、術を発動した“後”に詠唱を行うケースがあります。これは極めて高度な技術で、術の発動において詠唱を「省略」する代わりに、後からその術の“意味づけ”を補強するという離れ業です。
後追い詠唱は、戦闘中のテンポを崩さずに術を発動できる一方で、術者の呪力コントロールや術式理解が極めて高いことが前提です。言うなれば、楽譜を見ずに演奏し、あとからその演奏に楽譜の意味を与えるようなもの。五条悟や伏黒恵といった天才的術師たちが見せるこの技法は、呪術における高度な“美学”とも言えるでしょう。
これは「呪力の走馬灯」とでも呼ぶべき技巧であり、言葉で締めることで術式の完成度を高める、“後味”を整える美学にも近い要素といえるでしょう。呪術とは技だけでなく、表現の芸術でもある。そう感じさせる詠唱文化の一面です。
そもそも術式って何?
術式とは、呪術師が使う「力の構造式」のようなもの。生まれつき刻まれた呪力の回路であり、使用者ごとに異なる性質と応用法を持ちます。数学でいえば関数、芸術でいえば作風にあたる存在。術式によって戦い方も人生観も大きく異なるのです。

呪術高専 東京校
「術式を極めることは引き算を極めること」
呪術廻戦の術式とは、生まれつき体に刻まれた“呪力の設計図”とも呼べる存在です。各術者はこの術式を用いて、自らの呪力を特定の形に変換し、攻撃・防御・支援など様々な作用を生み出します。火、水、空間、影――術式のバリエーションは千差万別。個々の術師の特性や相性、性格すらも術式に表れます。
そんな中で印象的なのが、作中のナレーションで語られる「術式を極めることは、引き算を極めること」という言葉。これは、派手で複雑な術を追い求めるのではなく、“必要最低限の構造”で最大の結果を導くという、呪術の本質に迫る哲学です。
術式の極意は、「盛り込むこと」ではなく「削ること」。要らないものを削ぎ落とし、本当に必要な呪力操作だけを残すことで、術はより純粋で鋭くなります。これは、シンプルな構造美が最も強いという呪術の真理を示しているとも言えるでしょう。
他に術式を構成する手順
術式を発動するにあたっては、詠唱以外にも特有の儀式や動作が存在します。ここでは代表的な構成要素を紹介します。
掌印(しょういん)
呪術師たちが術を使う際に、指先で特定の形を結ぶ“掌印(しょういん)”にも注目です。これは仏教における“印相”と類似した概念で、術の発動に精神集中と呪力の流れを正確に制御する意味があります。
掌印には術者ごとに異なるスタイルがあり、それ自体が術式の“起動キー”ともなるため、敵に読まれれば術の種類を予測されるリスクもあります。逆に言えば、掌印に一瞬でも迷いがあれば、術の発動は失敗に終わる可能性すらある、極めて繊細な作法なのです。
舞
“舞”は一部の術者が戦闘中に披露する独特の身振りや動作です。これは敵の目を欺きながら呪力の流れを整える、いわば“踊る呪術”とでも言うべきスタイル。とくに庵歌姫などは、舞うことで呪力を共鳴・増幅させるような使い方を見せます。
特に「楽」と呼ばれる流派においては、舞は“意志の律動”であり、“術式を踊らせる”行為。肉体の動きと呪力の流れを同期させることで、術式はより自然で滑らかに発動されます。
舞は見た目の美しさだけでなく、呪力の“波”を整える大切な儀式であり、乱れた状態で呪術を発動すれば、威力が半減するだけでなく、術者自身に跳ね返る危険すらあるのです。
楽
“楽”は極めて特殊な術式構成要素です。術者の中には、音を媒介として術を発動させる者もおり、その場合、楽器の音色や歌声が“詠唱”そのものとなるケースも存在します。
また舞と音、このふたつが重なれば「楽」となる。音楽的なリズム、呼吸、そして詠唱がひとつに溶け合うことで、術式は芸術の域へと昇華します。詠唱もまた“呪詩”としての側面を持つため、「楽」との親和性は極めて高いです。
呪術と音はもともと密接な関係を持っており、音には“言霊”の力が宿るとされています。呪術高専京都校の学長・楽巌寺学長のような術者は、音そのものが術であり、感情や意志を旋律に乗せて術を発動させる“音の術師”としての側面を持っています。
これまでの呪詞詠唱一覧
呪術廻戦の魅力のひとつ、それは術式発動時に紡がれる「呪詞(じゅし)の詠唱」です。 ただのセリフではなく呪術師たちの意志であり、魂の震えであり、時に敵さえ一瞬怯む“言霊の刃”なのです!中には宗教的な祈りのようなもの、あるいは古代の呪術書から抜き出したかのようなものもあり、そこに込められた意味を紐解くことで、面白さが倍以上!
これまで作中に登場した代表的な呪詞詠唱とその詠唱者たちをご紹介します!
術式順転「蒼」/五条悟
詠唱:「位相(いそう) 黄昏(たそがれ) 知慧の瞳(ちえのひとみ) 術式順転『蒼』」
解説
「蒼」は“引力”を生み出す術式順転。詠唱には物理法則と精神性の融合が感じられます。
「位相」は波動や量子に関係する概念。術式の正確な“ズレ”を制御する感覚を示唆。
「黄昏」は日と夜の狭間。五条が持つ「無限と現実」の境界を象徴。
「知慧の瞳」は六眼そのもの。すべてを見通す眼力を“神の視座”として描写しているとも。
元ネタ考察
仏教や量子力学の用語がミックスされており、空間や因果律を操作する“神の手”のイメージが詠唱に宿っていると考えられます!五条悟のような最強キャラには合っているイメージですね♪
術式反転「赫」/五条悟
詠唱:「位相 波羅蜜(はらみつ) 光の柱 術式反転『赫』」
解説
「赫」は“引力"の反転なので押し出す力を司る反転術式。「赫」とは燃え上がる赤。
「波羅蜜」は仏教における「悟りに至る6つの修行法(六波羅蜜)」のこと。五条の“悟り”を象徴するワード。
「光の柱」は物理的・霊的な貫通力を象徴。レーザー的エネルギーのイメージも。
「位相」は「蒼」同様、空間構造の調整を示す。
元ネタ考察
仏典の用語をベースにしつつ、キリスト教やヒンドゥー教的な“光の啓示”も感じさせる宗教融合型の詠唱です。海外の文化も取り入れまさに信仰のミックスと言ったとろこでしょうか!
虚式「茈」/五条悟
詠唱:「九綱(くこう) 偏光(へんこう) 烏(からす)と声明(しょうみょう) 表裏の間 虚式『茈』」
解説
「蒼」と「赫」の“融合”から生まれる空間の消失攻撃。詠唱はまさに呪術の詩。
「九綱」は陰陽道における結界・縛りの一種。現実を制する結界の力。
「偏光」は光の性質を変える現象。「術式を曲げて融合させる」ことの隠喩。
「烏と声明」は死と祈り。カラス=死者の使い、声明=仏教の唱和。
元ネタ考察
「茈」は“紫=究極の調和色”。宗教的世界観、物理学、陰陽道が結びついた超次元的詠唱です。
術式「解(かい)」/両面宿儺
詠唱:「龍鱗(りゅうりん) 反発(はんぱつ) 番いの流星(つがいのりゅうせい)」
解説
この詠唱は、両面宿儺が繰り出す切断系の術式「解(かい)」の中でも、特に高密度かつ広範囲な威力を持つ斬撃バージョンの発動時に見られます。その詠唱は一見して詩的、しかし内容は極めて殺意に満ちた呪的エネルギーの詩文といえるでしょう。
龍の鱗は、古来より“防御の象徴”でありながら、“神秘の力”の宿る媒体ともされます。宿儺の攻撃は斬撃でありながら、龍鱗を冠することで、まるで“硬いものすら斬る”という逆説的な力強さが感じられます。
「番い」は日本神話におけるイザナギとイザナミのような“創造のペア”を彷彿とさせるが、ここでは“破壊のペア”としての双撃。まるで双頭の刃が交差し、避けられぬ運命のように敵を断つ。
「流星」は流れ星=“天の使い”や“願いの象徴”として語られるが、宿儺にとっては“天の裁き”に等しい。空から降る一閃の破滅。その冷酷な輝きが「解」という術の本質と絶妙に重なる。

元ネタ考察
この詠唱には、中国神話や陰陽道など日本の古典的な呪術思想や東洋の象徴主義が色濃く見え隠れします。宿儺の技にまさか陰陽道などの要素が入っているとは驚きでした!
八握剣 異戒神将 魔虚羅(やつかのつるぎ いかいしんしょう まこら)/伏黒恵
詠唱:「布瑠部由良由良(ふるべゆらゆら)」
解説
この詠唱は、実際の古神道の祝詞(のりと)に由来しています。
「布瑠部由良由良」**は、「古事記」や「延喜式祝詞」に見られる呪文。
主に穢れを祓うとき、または霊を鎮めるときに唱えられる。
八握剣はスサノオ神話に登場する剣。魔虚羅自体、神格化された呪具召喚のような存在。

元ネタ考察
完全に神道の呪文。呪術廻戦はファンタジーと伝統神道を融合させるとは見事です!まさに芥見先生のハイセンスが伺えます!
帳(とばり)/多数キャラ共通
詠唱:「闇より出でて闇より黒く、その穢(けが)れを禊(みそ)ぎ祓(はら)え」
解説
帳とは、結界のようなもので結界領域を閉ざす技術。詠唱はまさに“闇の浄化”。
「闇より出でて闇より黒く」:陰をもって陰を制す。呪術の根幹思想。
「禊・祓」は完全に神道的ワード。「穢れ=呪い」を清めるという逆説的な呪術。
元ネタ考察
キリスト教やカバラ(ユダヤ神秘主義)に見られる「光の梯子」「救済の祈り」の要素が色濃い。来栖の「天使」との結びつきを印象づける詠唱です。「禊祓(みそぎはらえ)」は日本神話における重要な儀式。帳の発動詠唱は、最も“日本の呪術らしい”呪詞といえるでしょう!
虎杖の領域展開の名前は?
宿儺の器として生を受け、呪いと人間の狭間を彷徨う高校生の虎杖悠仁。ここで主人公虎杖の領域展開の名前・詠唱を深掘りしていきます!呪術廻戦では必中最高峰の技「領域展開」と術式効果を最大限にする詠唱を繰り出すシーンが人気のひとつですが・・・肝心な主人公はというと・・・
虎杖悠仁の領域展開には名前がない?
物語序盤から身体能力・呪力センスともに異常なポテンシャルを見せていた虎杖ですが、五条や伏黒、さらには脹相まで領域展開を会得している中で、虎杖のみが終盤まで領域展開を未使用という点は、ファンの間でも大きな謎となっていました。
一見すると“主人公なのに出し惜しみ”という展開ですが、これは実は非常に深い“仕掛け”でもあります。というのも、虎杖は呪力の「基盤」が自分自身ではなく「宿儺」由来であるため、他キャラのように呪術的概念を自ら確立することが難しかったのです。
さらに、虎杖は「感情」や「怒り」によって覚醒を見せるタイプであり、術式そのものが後天的に備わった可能性が高いため、宿儺が体内から去った後の“再構築”が鍵であると考えられます。
「無制限の領域」説?伏黒や宿儺との比較で見える“虎杖らしさ”
ファンの考察の中でも注目されているのが、「虎杖の領域展開は“型破り”な可能性が高い」という説です。
通常、領域展開は術式を閉じ込め必中化する技ですが、虎杖の場合、術式が「破壊」「吸収」「模倣」的な性質(宿儺の残穢由来)を持っている可能性が高いため、逆に“領域の概念を破壊する”領域を展開するのでは?という声も多いです。
例えば、宿儺の「伏魔御廚子」が結界なしで展開されていたように、虎杖もまた「ルール破りの領域」=“無制限領域”や“反射型の領域”という展開が考えられます。
特に宿儺の器であった彼が、自らの意思で術式を覚醒させ、さらに宿儺との“因縁”を領域で決着させるという流れは、物語的にも美しすぎます。
第260話で遂に覚醒か?「黒閃」「受肉の適応」から見る虎杖の進化
週刊少年ジャンプ連載260話にて、虎杖はついに宿儺と“並ぶ”立場に立ち、高専側の最終兵器としての役割を担う展開へ突入します。この時点で彼は黒閃を自在に放ち、術式の感覚を掴み始めているという驚異的な成長を遂げており、終盤では待望の領域展開を発動!
さらに、宿儺の術式の“記憶”を虎杖の肉体が模倣・適応しているような描写もあり、これが術式の基礎となるならば、虎杖の領域は「宿儺の残滓+虎杖自身の意志」という二重構造的なものになる可能性すらあります。
しかし、虎杖自身が領域を展開する際に名前を発することはなく、そのまま物語は終えてしまいました。
待ち望んでいたファンからはがっかりする声も上がりましたが、熱狂的なファンの間では名前を想像することがブームに!その中には「双生の輪廻(そうせいのりんね)」や「宿儺葬刃域(しゅくなおくりばのいき)」など、作中に出てきても違和感がない高クオリティの名前もありました。
まとめ
さて、ここまで詠唱についてアツく語ってきたわけですが…
正直なところ、最初は「詠唱?なんかカッコいいセリフっぽいやつでしょ?」くらいに思っていた方も多いはず。
でも蓋を開けてみればどうでしょう。詠唱ひとつで術式の格が跳ね上がり、キャラの濃さが爆上がり。しかもセリフの内容がまるで詩人のように深い。
「闇より出でて、闇より黒く…」なんて、普通に言われたら引きますが、呪術廻戦なら全力で痺れます。
詠唱は厨二心を合法的に燃やせる、最高にエモい装置だったのです。
推しの詠唱を暗記して、友達にドヤ顔で唱えるもよし。
意味を考察して、夜中に「なるほど…これは生命の対句だ…」とひとりごちるもよし。
楽しみ方は無限大!これが呪術廻戦の“言霊ワールド”です。
公式HP

更新日: 2025-04-22